【中学受験】合格に導く学習戦略と計画 中学受験逆転合格勉強法

【中学受験】家では解けるのに点が取れない…その原因と“今すぐできる”対策5選

2020年3月8日

【中学受験】家では解けるのに点が取れない…その原因と“今すぐできる”対策5選

「先生、家では解けてるんです。なのにテストになるとボロボロで…」

中学受験のご家庭から最も多く寄せられる相談が、これです。
もしあなたも同じように感じているなら、ご安心ください。
それは、お子さんの能力やメンタルの弱さの問題ではありません。

私はこれまで1000組以上の中学受験生を指導・サポートしてきましたが、断言できます。
「本番に弱い子」は存在しないのです。

本番で点が取れないのには、はっきりとした理由があります。
そしてそれは、日々の学習習慣にひそむ“5つの落とし穴が原因になっていることがほとんどです。

この記事で分かること

この記事では、その原因を一つずつ紐解きながら、今すぐご家庭で取り組める対策(=処方箋)をお伝えします。

  • なぜ家では解けるのにテストではミスをするのか?  
  • テストで焦らず解くための工夫  
  • ミスを減らし、本番で実力を発揮するための具体的な方法  

家でできるのに点が取れない5つの原因とは?

原因1:「解けている」のではなく「なぞっている」だけ

― 再現力と応用力はまったくの別物 ―

家でテキストの問題をスラスラ解いているように見えても、
・解説を横に置いて解いている
・親がヒントを出している
・直前にやった問題と似ているだけ

…という状態なら、それって実は「解けている」ではなく「なぞってる」だけかもしれません。

例えるなら「補助輪付きの自転車」で走っているようなもの。
本番で補助輪(ヒント・解説)が外れた瞬間にバランスを崩すのは当然なのです。

処方箋

「類題シャッフルテスト」で実力を可視化する

  • 同じ単元から5問ほどピックアップして順番をバラバラに
  • ノート・ヒント・助言なしで「テスト形式」に
  • 「本当にひとりで解けるか?」を確認する

ここで手が止まるようなら、それは「家でもできていなかった」証拠。
まずは完全にひとりで初見の問題を解ける力をつけることが、すべてのスタートです。

原因2:時間というプレッシャーに負けている

― 焦る子ほど、完璧主義という落とし穴 ―

真面目で一生懸命な子ほど、テスト本番で時間が足りなくなります。
1問目にじっくり取り組みすぎて、後半で総崩れ…これは典型的な失点パターンです。

「全部を完璧に解かなくては」
そんな思い込みが、逆に合格を遠ざけてしまいます。

中学受験は満点を取る勝負ではありません。合格点をどう取るかの戦略ゲームです。

処方箋

「時間を味方につける」2つの練習

  • 目標時間を決めて練習する
     →「この計算は5分以内」「この読解は8分」と過去問で時間配分の感覚を身につける。
  • 問題の“仕分け力”を鍛える
     →テスト開始直後の1分で全体を見渡し、「確実に取れる◎」「時間がかかる△」「今回は捨てる×」と印をつける練習をする。

これだけでパニックが大幅に減り、冷静に戦えるようになります。

原因3:親の期待がプレッシャーになっている

― 「頑張ったのに点が取れない自分」への苦しさ ―

お子さんは、思っている以上に親の気持ちを敏感に受け取っています。

「あれだけ勉強したんだから、100点取れるよね?」

そんな何気ない一言が、
「失敗は許されない」
という強いプレッシャーに変わってしまうのです。

特に真面目で努力家なタイプの子ほど、「親をがっかりさせたくない」という思いが空回りしてしまいます。

処方箋

「点数」ではなく「プロセス」を評価する

「何点だった?」

「どの問題がうまく解けた?」「時間配分はうまくいった?」

仮に結果が悪くても、感情的に叱らないでください。

「今回は時間の使い方に課題があったね。じゃあ、次どうする?」
そうやって、冷静に“次の作戦”を一緒に考える。
親は「応援団」ではなく「作戦参謀」に徹することが大切です。

実際、あるご家庭では「点数の話を一切せず、解き直しノートの丁寧さだけを褒めてください」とお願いしたところ、3ヶ月後には成績が安定し始めました。
関わり方ひとつで、子どもは大きく変わります。

原因4:問題の「条件」を読み飛ばしている

― 脳の“省エネモード”が引き起こす落とし穴 ―

「この問題、知ってるやつだ」と思った瞬間に、脳は細かい条件を読み飛ばすモードに入ります。
これは決して不真面目なのではなく、人間の脳の仕組み上、自然なことです。

ですがこれが、

  • 単位(cmとm)
  • 聞かれている内容(Aくんの年齢?2人の和?)
  • 「ただし、〜」などの条件

…といった超重要ポイントの見落としにつながるのです。

処方箋

「マーキング」で条件を“強制インプット”する

  • 問題文の中で「条件」と「聞かれていること」に必ず線を引かせる
  • 単位・登場人物・個数などは丸で囲む

テスト中に音読はできません。
だからこそ、手を動かしてマーキングする行為が、脳にブレーキをかけてくれるのです。

これは私が全生徒に徹底させている基本中の基本です。

原因5:本番で「自己流の解き方」に変えてしまう

― アスリートがルーティンを崩すのと同じ ―

家では丁寧に図や式を書いているのに、本番になると「時間がないから」と省略してミス。
これは練習で身につけた“勝ちパターン”を、自ら手放してしまっている状態です。

「書く時間がない」「スペースがない」と言う子も多いですが、
正しく書かないからこそミスが増えて時間がかかる、という悪循環に陥っています。

処方箋

「解き方のルーティン化」で再現性を高める

  • 練習と本番の“解き方”を完全に一致させる
  • 図や式を書く時間も含めて「時間内に終える」練習を積む
  • 解答スペースをあらかじめ区切り、どこに何を書くかを型として定着させる

急ぐとは「雑にやる」ことではなく、「無駄なく、いつも通りやる」ことです。

ただ、これができるようには時間がかかります。
焦らずじっくり、入試直前まで継続して取り組むようにしてください。

勉強はするけど、始めるまでに時間がかかる…

  • うちの子、一度始めれば集中して勉強するんだけど、机に向かうまでが長くて…
  • もっとテキパキと“やる気”を出してくれれば、テストの点も上がるのかなあ?

もし、そんな風に感じることがあるなら、こちらの記事もきっとお役に立ちます。

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まとめ:お子さんに「実力通りの結果」を出させるために

「うちの子は本番に弱いんです…」
そう決めつける前に、今回ご紹介した5つの落とし穴がないか、ぜひ確認してみてください。

  • 再現できていないだけ → 類題シャッフルテストで可視化
  • 時間というプレッシャーに負けている → 問題の仕分けで戦略を立てる
  • 親の期待に押しつぶされている → プロセスを評価する関わり方へ
  • 条件を読み飛ばしている → マーキングで情報を確実に捉える
  • 本番で手順が変わる → 解き方のルーティン化で再現性を高める

これらの原因は、多くの場合1つではなく複数が絡んでいます。

大切なのは、「うちの子はダメだ」と諦めるのではなく、冷静に原因を分析し、親子で一緒に「次の作戦」を立てることです。

お子さんの「努力」が、きちんと「成果」という自信に変わるように。

そのための第一歩を、今日から踏み出してみませんか。この記事が、そのきっかけとなれば心から嬉しく思います。

また、本番で結果を出すための具体的な勉強法や親の関わり方を、
もっと深く知りたい方は、個別相談や体験授業もご活用ください。

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