中学受験逆転合格勉強法 子どもの成績が伸びる親の関わり方

【中学受験】成績が伸びない子に共通する“睡眠の落とし穴”とは?

2020年3月12日

【中学受験】成績が伸びない子に共通する“睡眠の落とし穴”とは?

「夜遅くまで頑張っているのに、成績が伸びない…」
中学受験生の保護者の方から、こうした切実なご相談を本当によくいただきます。

もし今、お子さんの努力が結果につながっていないと感じるなら、
勉強法を見直す前に、たった一つだけ確認していただきたいことがあります。

それは「お子さんは、毎日ぐっすり眠れているか?」ということです。

この記事で分かること

  • 頑張りが空回りする「睡眠の落とし穴」の正体
  • 脳科学で解明!睡眠と記憶力の深い関係
  • 今日からできる「合格する子の睡眠習慣」3つのコツ

「え、睡眠が原因?」と思われたかもしれません。
しかし、これは私が数多くの生徒を指導する中で確信している事実です。

“睡眠を制する者が、受験を制する”

さっそく、その理由と具体的な方法を解説していきますね。

睡眠を削る子ほど、なぜ伸び悩むのか?

まずは、私の指導経験からお話させてください。
長年教えてきた中で、成績が思うように伸びない子に共通していたのが、
「睡眠時間が不足している」という事実です。

例えば、夜遅くまで勉強しているのに授業中に集中力を欠いているAくん。
目の下にクマをつくり、質問に対する反応も鈍い。尋ねてみると、「寝たのは1時過ぎです…」と。

一方、同じように勉強熱心ながら、夜10時にはきちんと布団に入る習慣を守っていたBさん。
授業では集中力が高く、理解力も記憶力も安定していました。
実際に第一志望に合格したのは、Bさんの方です。

努力量は同じでも、睡眠を確保していた子が力を発揮しやすい

──これは多くの現場で見てきた、紛れもない現実です。

睡眠不足が脳の働きを妨げる理由

人間の脳は、眠っている間に情報を整理し、記憶を定着させるだけでなく、
判断力や集中力、感情のコントロールといった、学習全体に関わる機能を回復させています。

睡眠には「ノンレム睡眠(深い眠り)」と「レム睡眠(浅い眠り)」の2種類があり、これらが約90分ごとに交互に現れます。

  • ノンレム睡眠:脳と体を休ませる
  • レム睡眠:脳が活動し、記憶や感情を整理する

重要なのは、睡眠時間を削ると、まずレム睡眠の時間が犠牲になるということ。
つまり、勉強した内容が脳に定着しにくくなり、集中力も回復しないまま翌日を迎えることになります。

  • 一夜漬けしてもテスト本番で思い出せない
  • 模試になるとケアレスミスが増える

こうした現象の裏には、実は睡眠の質の低下が隠れていることが多いのです。

成績アップの土台を作る“睡眠習慣”3つのポイント

では、どうすれば睡眠を味方につけ、お子さんの学力を最大限に引き出せるのでしょうか。
ご家庭で実践できる3つのポイントを紹介します。

① 就寝・起床時間を固定し、7時間半以上の睡眠を確保する

睡眠の質を高めるには「量」と「リズム」の両方が重要です。
子どもの場合、最低でも7時間半(=90分×5セット)の睡眠が必要とされています。
成長期の小学生であれば、理想は9時間だそうです。

「夜10時に就寝、朝6時半起床」といった習慣を家庭でルール化し、
できるだけ毎日同じサイクルを守るようにしましょう。

規則正しい睡眠は、学習の集中力だけでなく、情緒の安定や免疫力の維持にもつながります。

② 90分サイクルを意識し、スッキリ目覚める

「たくさん寝ているのに朝がつらい」という声の原因のひとつが、起きるタイミングの問題です。

睡眠中は90分ごとに浅い眠り(レム睡眠)が訪れます。
このタイミングで起きるとスッキリ目覚めやすく、逆に深い眠りの途中で無理に起こされると、頭がボーッとしてしまいます。

たとえば:

  • 今8時間寝ている → 7.5時間(90分×5)に短縮してみる
  • 今7時間なら → 30分早く寝かせて7.5時間にする

タイマーアプリやスマートウォッチなどを活用して、起床時刻を調整してみるのも一つの方法です。

③ 集中力が落ちたら、「15分だけ仮眠」をとらせる

「夕方〜夜にかけて、集中力が明らかに下がっている時、
つい『やる気出しなさい!』と声を荒らげてしまう…そんなお気持ち、痛いほど分かります。

しかし、それはやる気の問題ではありません。
そんな時こそ、叱るよりも15分の仮眠を勧めてみてください。

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この短時間の休息は、脳の疲労を回復させ、学習効率を劇的に上げる効果があります。
ただし、20分以上は逆効果。脳が深い眠りに入ってしまい、起きた後に逆にぼんやりしてしまいます。

椅子に座ったまま机に突っ伏す程度でOK。
タイマーをかけて、必ず短時間で起こすようにしましょう。

睡眠は、親が与えられる“最高の応援”

中学受験は、お子さんにとっても、親にとっても大きな挑戦です。
良い先生や教材を選ぶのも大切ですが、もっと根本的な部分

──毎日の生活リズムを整えることこそが、成績を伸ばす最初の一歩になるのです。

中でも、睡眠はその土台となる最も大きな要素。

お子さんの努力が結果につながらないと感じたときこそ、「睡眠の質」に目を向けてみてください。
ぐっすり眠れた翌朝は、子どもは驚くほど前向きで、集中力も高くなります。

そして、もし

  • 「生活リズムの立て直し方が分からない」
  • 「うちの子に合う習慣を見つけたい」

というお悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

私は、中学受験指導とは、ただ勉強を教えるだけではないと考えています。
お子さんが最高のコンディションで本番に臨めるよう、学習計画と生活リズムを“セットで”最適化していくことこそ、中学受験のプロとしての役割です。そして、その土台となる最も大きな要素が睡眠なのです。

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