【中学受験】成績が伸びる科目別・効果的な勉強法 中学受験逆転合格勉強法 国語のコツ

国語の偏差値を15伸ばした!誰でもできる「読解三本柱」学習法

2025年8月6日

【中学受験】国語偏差値を15伸ばした!誰でもできる「読解三本柱」学習法

国語の成績が伸びない

「うちの子はセンスがないのかも」
「何から手をつけていいか分からない」

――そんな思いを抱えていませんか?

中学受験コンサルタントの齋藤達也です。
保護者の方からよくいただく悩みに「国語の成績がなかなか伸びない…」というものがあります。

安心してください。
国語はセンスではなく、やり方次第で伸ばすことができる科目です。

私はこれまで1000組以上のご家庭をコンサルティングし、実際に120人以上の生徒を直接指導してきました。その中で確信を持ったのが、「読解三本柱(語彙・音読・要約)」によって国語の力を根本から伸ばすという方法です。

この記事では、特に偏差値50前後で伸び悩んでいるお子さん、そして日々サポートに奮闘されている保護者のあなたに向けて、「どうすれば国語力が上がるのか」という疑問にお答えします。

この記事でわかること

  • 「国語はセンス」ではない理由
  • 読解力を育てる「三本柱」の理由と実践法
  • 偏差値が15上がった生徒の具体的な取り組み

「国語はセンス」ではない理由

なぜ、国語はセンスだと思われがちなのか?


国語が得意だろうが苦手だろうが

  • 国語はセンスだ
  • 教えようがない科目だ

という人が多いですが、そもそも、なぜ国語は「センスの教科」だと思われがちなのでしょうか?

その理由はシンプルです。
国語がセンスだと思われているのは、国語の「解き方」を明確に教わった経験がある方がほとんどいないからだと思います。

ではなぜ、国語だけ明確な解き方が教えられてこなかったのか?
その最大の理由は、国語が得意な人ほど、自分の解き方を論理的に説明できないという点にあります。

実際には、国語が得意な人は論理的に文章を読み論理的に解答しています。
でも、それを“無意識”に行っているのでどうやって読んでいるのか?どうやって解いているのかを上手く言葉で説明できない。
だから、周りから見ると感覚で解いているように見えてしまうんです。

その結果、

  • 教える側(得意な人):「読めば分かるのに…」(どう説明していいか分からない)
  • 教わる側(お子さんや苦手な人):「やっぱりやり方じゃなくて『センス』なんだ…」

これ、「国語はセンス」という大きな誤解を生み出しているのではないかと思います。

でも、それは違います。国語も、ちゃんと原因分析できる教科です。

英語の読解問題をセンスだと考えている人はいない

たとえば、英語の読解問題ができない理由をセンスで片付ける人がいないのはなぜでしょう?

  • 単語を知らない
  • 文法がわかっていない
  • 構文が理解できていない

こういった感じで「読めない」原因が、誰にでも説明できます。

一方で国語になるとなぜか原因を明らかにせず「センス」のひとことで片付けがちです。
しかし、国語の読解ができない人には明確な共通点があります。

国語が苦手なとの共通点

  • 語彙が足りない
  • 文のつながりを考えずに読んでいる
  • 正しく設問に答える方法を知らない

にもかかわらず、国語に関しては「なんとなく」「センスでしょ」と思考停止してしまう。これが、国語が“センスの教科”と誤解される理由なのです。

しかし、国語の読解問題には解き方があります。
読解問題は「感覚」ではなく「論理」で解きます

その論理力を身につける方法が、私が提唱する「読解三本柱」なのです。

【中学受験】読解力を伸ばす「読解三本柱」とは?語彙・音読・要約の3つの勉強法

【1本目の柱:語彙】言葉が分からないから読めないし時間がかかる

「語彙がない=読めない」

これは極端なようでいて、真実です。
あなたも学生時代に英語を勉強したと思いますが、そのとき英単語を覚えませんでしたか?
どんなに簡単な文章でも単語が分からなければその文の意味は理解できません。

たとえば、「This is my big black  pen.」
この文章の意味は分かりますよね?(これは私の大きな黒いペンです)

でもこれだとちょっと難しくないですか?
「This is a radioactivity removal device」

なぜかというと、単語がちょっと難しいからです。
最初の文はほぼすべての単語が知っている単語ばかり。でも2つ目の文は英語のに詳しくない人にはなじみのない単語まざっています。

このように単語が分からなければ、文の意味はつかめません。
ちなみに2つ目の文は「これは放射能除去装置です」になります。

実はこれ、お子さんは国語の文章で同じようなことが起こっています。
「抽象的」「肯定的」「懐疑的」――このような言葉が分からなければ、正しく読み取ることはできません。

だからこそ語彙は文章を理解する上で非常に重要なのです。

【2本目の柱:音読】スラスラ読めないと、内容に集中できない

お子さんは初めて見る文章を

  • スムーズに文章を読めますか?
  • 途中途中でつっかえることはありませんか?

音読のスムーズさは、実は文章を理解する力に直結しています。

文章がスラスラ読めるということは、脳の中での処理スピードが速いということ。つまり、スムーズに読める人は読みながらどんどんと内容を理解していっているということなんです。

一方、つっかえながら読んでいる子は、「読むこと」に気を取られ文章の内容にまで意識が向きません。そのため、「読んだけど何が書いてあったか分からない」ということが起こるのです。

中学受験で出会う文章はほぼ初見です。
つっかえながら読んでいるようでは、文章を理解することもできませんし、設問に答えるなど不可能です。

よく、「今回は文章の相性が良かった」なんてことを言いますが、これは「スラスラ読める文章に当たった」ということなんですね。

【3本目の柱:要約】「読んだつもり」から「本当に理解できる」へ

ご家庭で、このようなやり取りに身に覚えはありませんか?

これは、お子さんが読んだだけで内容を「分かったつもり」になっている典型的なサインです。

一方で、国語が得意な子は、設問を見たときに「あ、これはあの段落に書いてあったな」と、本文のどこに答えの根拠があるかをすぐに探し出せます。なぜでしょうか?

もちろん、2000字や3000字もある文章を丸暗記しているわけではありません。
その秘密は、読みながら無意識に「要約」していることにあります。

国語が得意な子は、文章を読み進めながら、頭の中で自然と「この段落は〇〇の話」「次の段落は△△という理由」というように、内容を整理し、情報のラベルを貼るように読んでいるのです。

つまり、言われなくても勝手に要約しながら読んでいる。

だから、文章全体の地図が頭に入っており、どこに何が書いてあるかすぐに思い出せるのです。その結果、速く、そして正確に答えを導き出すことができます。

この「得意な子が無意識でやっている読み方」を、誰でも技術として身につけるための最強のトレーニングが「要約」です。

段落ごとに「ここでは結局、何が言いたかったの?」と確認し、自分の言葉でまとめる。
この作業を繰り返すことで、「読む」という行為が、ただ文字を目で追うだけでなく、「内容を把握し、自分の頭で整理する作業」に変わっていきます。

「読んだけど覚えていない」が「どこに何が書いてあるか分かる」へ。
これをできるようにするのが要約力なのです。

家庭でできる!読解力を伸ばす「読解三本柱(語彙・音読・要約)」実戦法

「理屈はよく分かりました。でも、これをうちの子にどうやってやらさせれば…?」
ご安心ください。特別な教材をたくさん買う必要も、長時間の勉強もありません。

ここでは、塾の宿題や日々の生活の中で、今日からすぐに取り入れられる具体的な方法をご紹介します。一番のポイントは、「完璧を目指さない」こと。

その1【語彙】:「覚えるな、眺めるだけ」の高速回転法

お子さんに語彙のテキストを渡してこれ「全部覚えなさい!」では一生覚えることはありません。
語彙学習の鉄則は、「1冊を、じっくり丁寧にやらない」ことです。

  • お子さんに合った語彙テキストを「1冊だけ」決める。
  • 毎日、見開き1ページを「眺める」だけ。
    「覚えよう」とせず、漫画を読む感覚でパラパラとめくるのがコツです。
  • 意味は雰囲気でOK。
    「なんとなくプラスの意味だな」くらいで十分です。

人間の脳は、何度も繰り返し目にした情報を記憶する性質があります。
「1回で完璧にする」のではなく「とりあえず回数」。
この気軽さが継続のコツです。

その2【音読】:ストップウォッチで音読成長実感法

音読は、文章を読むための「体力づくり」です。ここでは、お子さんの成長を「見える化」して、やる気を引き出します。

  • 使うのは、過去に受けた模試やテストの長文問題
  • ストップウォッチで読むのにかかった時間を測ります。
  • 次の日、また同じ文章の「最初から」読み直す。

これが重要なポイントです。
「昨日より速く読めている!」という成長実感が、お子さんにとって最高のモチベーションになります。
音読の時間は「最大10分」と決めて、読みきれなくてもそこで終了。
こうすることで、親子ともに時間管理がしやすいですよね。

その3【要約】:「線を引くだけ」で得意な子の思考をインストール

これが三本柱の要。
目的は、国語が得意な子の無意識でやっている読み方(=読みながら内容を整理する力)を、意識的にできるようにすることです。
ご家庭では、ノートにびっしり書き出すような大変な作業は必要ありません。

  • 音読で使った文章と、鉛筆を1本用意します。
  • 段落ごとに、「この段落で、一番言いたいことはどの文かな?」とお子さんに問いかけます。
  • お子さんが「これだ!」と思う一文に、線を引かせます。

たった、これだけです。
あなたの役割は、正解を教えることではなく、「なるほど!どうしてこの文が一番大事だと思ったの?」と、理由を聞いてあげること。
この対話こそが、思考力を育てる最高のトレーニングになるのです。

偏差値40台→50台後半へ!「読解三本柱」が起こした本当の変化

ここで、私が実際に指導したS君の話をさせてください。
彼は、決して勉強が嫌いなわけではない、素直で頑張り屋の男の子でした。

しかし、国語だけはどうしても苦手で、偏差値は40台前半
お母さんも「いろいろ試してはいるのですが、一向に成果が見えなくて…」と、途方に暮れていらっしゃいました。

そこで、S君とお母さんご家庭には、今回ご紹介した「読解三本柱」を徹底してもらうことにしました。ただし、役割分担を明確にして。

  • ご家庭でお願いしたこと:
    • 【語彙】 1冊のテキストを「高速回転」で毎日眺めること。
    • 【音読】 塾のない日に、過去のテストや過去問集を使ってストップウォッチを使った音読練習すること。
  • 私が行ったこと(プロの指導):
    • 【要約】 週に一度の私の指導時間で、「線を引くだけ要約」を徹底的に実践。S君がどこで思考のズレを起こしているのかを正確に見抜き、毎週軌道修正を行いました。

正直に申し上げますと、最初の1ヶ月、2ヶ月は、模試の成績に大きな変化はありませんでした。しかし、3ヶ月が経った頃、S君の中に明らかな変化の兆しが見え始めたのです。文章を読むスピードが上がり、私が何も言わなくても、大事な部分に自然と目がいくようになりました。

そして、その成果は徐々に、しかし確実に数字に表れ始めました。
半年後には、あれだけ超えられなかった偏差値50の壁をコンスタントに超えるようになり、最終的には55〜57で安定するまでになったのです。

しかし、私が何より嬉しかったのは、偏差値の数字以上に、S君本人の変化でした。
以前は国語の宿題にうんざりした顔をしていた彼が、ある日こう言ったのです。

この一言を聞いた時のお母さまの嬉しそうな、そして少し驚いたような表情を、私は今でもはっきりと覚えています。

これは、S君が特別な才能を持っていたからではありません。
ご家庭での正しい努力と、専門家による的確な軌道修正。
この二つが噛み合ったからこそ、起こった必然的な変化なのです。

まとめ:国語の成績は「正しい努力」で必ず伸びる

「なんでうちの子は、国語ができないの…?」

その長年の悩みと、今日でサヨナラしませんか。
ここまで読んでくださったあなたに、もう一度、一番大切なことをお伝えします。

中学受験の国語は、センスではありません。

語彙・音読・要約。
この記事でご紹介した「読解三本柱」という正しい技術を身につければ、お子さんの国語力は必ず、そして劇的に変わります。

正しい努力は、決して裏切りません。
焦らず、でも着実に。お子さんの未来のために、今日からその一歩を踏み出しましょう。

最後までお読みいただきありがとうございます

この記事を読んで、「うちの子にも、この『読解三本柱』の正しい技術を身につけさせたい!」と思われた方は、ぜひ一度、私の個別指導をご検討ください。

中学受験は、「まだ間に合う」が「もう間に合わない」に変わるのが本当に一瞬です。

体験指導もご用意しております。
手遅れになって後悔する前にぜひ一度、ご相談ください。

直接個別指導(家庭教師)の体験指導の詳細はこちら

PAGE TOP