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【中学受験 国語】問題文から読む?設問から読む?偏差値が伸びない子の共通点と解決法

2025年8月18日

【中学受験 国語】問題文から読む?設問から読む?偏差値が伸びない子の共通点と解決法

中学受験コンサルタントの齋藤達也です。
結局、読解問題って「問題文から読むのがいいの?」それとも「設問から読むのがいいの?」いろんな情報があって、結局どっちが我が子の成績アップにつながるのか、迷っていませんか?

もう迷う必要はありません。結論です。
もしお子さんの国語が苦手で伸び悩んでいるなら、答えは一つ。

「問題文から読むべき」です。

なぜ、私がこれほど強く断言できるのか?
それは、これまで1000組以上のご家庭の相談に乗り、120名以上のお子さんを直接指導する中で、一見効率的に見える「設問から読む」というテクニックが、国語が苦手な子にとっては成績を低迷させる“罠”になるケースをあまりにも多く見てきたからです。

この記事では、なぜ国語が苦手な子にとってその方法が危険なのか、そして、遠回りに見えて実は最も確実な成績アップ法について、私の経験と具体的な事例を交えながら詳しく解説していきます。

この記事でわかること

  • なぜ「設問から読む」方法が、国語が苦手な子にとって危険なのか
  • 本当の読解力を身につけ、成績を安定させるための「王道の学習法」
  • 「答え探し」から脱却し、偏差値が10以上アップした子の具体的な実例

なぜ、中学受験の国語は「設問から読む」より「本文から読む」が伸びるのか?

もし、あなたのお子さんが国語の偏差値50前後で伸び悩んでいたり、読解問題に苦手意識を持っていたりするなら、今すぐ「設問から読む」のをやめさせ、「問題文(本文)からじっくり読む」という方法に切り替えてください。

  • え、でも塾では時間短縮のために設問からって…
  • ネットでも設問から読むといいって書いてあるし……

そう思われるのも当然です。
確かに「設問から読む」方法は、国語が”ある程度得意な子”がさらに効率的に時間を使えうための有効な戦術の一つです。目的意識を持って本文を読めるため、効率的に答えを見つけ出せます。

しかし、これはあくまで「本文を一度読めば、おおよその内容を把握できる力」がある子向けのテクニックです。文章を読んでも内容が頭に入ってこない、登場人物の気持ちがよくわからないという段階のお子さんがこの方法を真似すると、百害あって一利なし。むしろ、国語がますます苦手になるという悪循環に陥ってしまいます。

中学受験 国語は「設問から読む」と逆効果な理由3つ

理由1:国語が苦手な子は「設問から読む」と混乱しやすい

初めて訪れる街で、地図も持たずに「〇〇の看板を探し、△△の角を曲がって…」と複数の指示を同時に受けて歩き出すようなもの。

国語が苦手な子にとって、初見の文章は未知の世界です。登場人物の関係や展開を追うだけで精一杯のところに、「傍線部Aの理由」「登場人物Bの心情」「指示語Cが指す内容」などの情報を先に入れると、頭の中がパンクしやすくなります。その結果、本文の理解も設問の意図も中途半端のまま時間だけが過ぎます。

理由2:「設問から読む」と“答え探し読み”になり成績が安定しない

これが、国語が苦手な子が陥る最も深刻な罠です。設問から読むと、お子さんの目的は「本文を理解すること」から「キーワードを探すこと」に変わってしまいます。これは「読解」ではなく、単なる「答え探しゲーム」です。

たとえば、「本文の内容はよくわかっていないけれど、選択肢に本文と同じ単語があったから選ぶ」といった解き方になっていませんか?

この解き方の怖いところは、テストによって点数が乱高下し、成績が全く安定しないことです。

また、本番の入試では出題者だって国語が苦手な子が“答え探し”をしていることなどとっくに見抜いています。

あえて不正解の選択肢に本文の言葉を使い、正解の選択肢は本文の言葉を巧みに言い換える、といったワナを仕掛けてくるのです。

だからこそ、表面的なキーワード探しでは、安定して点数を取ることができないのです。

理由3:読解力がつかないと国語は得意にはならない

これが最も本質的な問題です。「設問から読む」という解き方は、読解力をつけるための「練習」になっていないのです。

国語の成績を上げるには、スポーツ選手が基礎トレーニングを繰り返すように、文章をじっくり読んで考える「練習」を積み重ね、「読む力」そのものを鍛える必要があります。

しかし、「答え探し読み」は、この最も大切な「文章読むという練習」の機会をお子さんから奪ってしまいます。

その結果どうなるか?

すでにある程度の読む力がある子は、設問から読んでも頭の中で文章のない内容を整理することができます。しかし、まだ読む力が育っていない子がその真似をすると、いつまでたっても読む力がつかないまま時間だけが過ぎていく…という最悪の事態に陥ってしまうのです。

このように、小手先のテクニックに頼ってしまうと、本質的な読解力はいつまで経っても育ちません。実はこれこそが、多くのお子さんが塾に通っているのに国語の成績だけが伸び悩む、大きな原因の一つなのです。

その答えはこちらで詳しく解説しています。ぜひ、お子さんの国語学習の全体像を掴むためにお役立てください。

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本文から読む vs 設問から読む:ちがいを一目で

ここまでの内容を整理すると、「本文から読む」と「設問から読む」には次のような違いがあります。お子さんの現状と照らし合わせながらご覧ください。

どちらから読むかメリットデメリット向いている子
問題文(本文)から読む文章全体の内容を把握できる、読解力が育つ、記述問題に強くなる最初は時間がかかる、答え探しに慣れている子は不安になりやすい偏差値50前後で伸び悩んでいる子/国語が苦手な子
設問から読む本文を読む目的がはっきりする、時間短縮につながる答え探し読み”になりやすい、全体理解が浅くなる、記述で失点しやすい文を一読で大意把握できる読解力がある子/上位層・国語が得意な子

中学受験 国語の王道!偏差値が伸びる「本文から読む」学習法

① ルールを決める:「必ず本文→設問」

読解問題を解くときのルール

  • 必ず本文を最後まで読んでから設問へ
  • 最初は時間を度外視でOK。
  • 練習段階では理解の質>スピードが優先

② 段落ごとに「線を引くだけ要約」

各段落で最も重要だと思う文に線を引き、全文読了後、要約だけをつないで文章の内容を口頭説明できれば合格。

③ 根拠マーキング&接続語チェック

「だから/しかし/ところが/つまり」などの接続詞に印をつけ、文章を理解するためや設問を解くときのヒントにつかう。

④ 設問を解くときにはかならず本文に戻る

設問を読んだら、かならずぼう線部やぼう線部の前後を確認。
そして本文の中から根拠を見つけてから解答する。記憶で解いてはいけません

⑤ 時間が足りないときのへの対応

時間が足りないことは一切に気にしない。
ここで焦って「やっぱり設問から…」とやっていたらいつまでたっても国語の成績は伸びません。
しっかりと読む訓練を続ければかならず読む速度は上がります。

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【保護者Q&A】国語は「設問から読む」?「本文から読む」?プロの答え

Q. 塾では「設問から読め」と指導されていますが…
A. 集団授業では「時間内に解き切る」ための戦術が優先されます。すでに本文の大意を一読で掴める子には有効ですが、本文の理解に不安がある段階の子には不適合。まずは本文からの精読で土台を作り、必要なら後半で戦術を導入しましょう。

Q. 本文から読ませたいのに、本人が言うことを聞きません。
A. 否定から入らず、親子で実験。「一回だけ、この方法で一緒にやってみよう」。読み終えたら「どんな話だった?」「その理由は本文のどこ?」と対話し、本文に戻る体験をセットで与えると納得しやすくなります。

Q. 本文から読むと、やっぱり時間が足りなくなりませんか?
A. 最初は間違いなく時間が足りなくなります。しかし、“迷いの時間”(往復・読み直し・選択肢でウロウロ)が減るので、最終的にはむしろ早くなります。初めは時間を気にせずじっくりと取り組んでください。

【実例】偏差値45→58!「設問から読む」から「本文から読む」へ切り替えた成功例

私が実際に指導したお子さんの例です。彼は面倒くさがりで「とにかくすぐ答えを出したい」タイプ。

「設問から読む」は彼にとって魅力的でしたが、最悪の相性でした。

お母様によると「塾の先生に言われた通り、設問から読む練習をさせているのですが…」。答案を見ると、記述は空欄が多く、選択肢も本文キーワードの有無で選んで不正解が続出。まさに“答え探しゲーム”でした。

私は、「今日から設問はいったん無視。まず、この文章がどんな内容だったかを自分の言葉で説明しよう」と提案。段落ごとの線を引くだけ要約を徹底し、時間は計らず「読むこと」に集中しました。

半年ほどで変化が出始め、あるテストで急に得点が伸びました。理由を聞くと、「今回は問題文が面白そうだったから、問題文から読んだ」とのこと。以後は完全に「本文から読む」が定着。上下動はありつつも右肩上がりになり、指導開始から1年後には偏差値が55を下回らなくなりました。

短絡的に「設問から解く」を優先せず、まず読む力を鍛えた成果です。

まとめ:国語が苦手な子ほど「本文からじっくり読む」が近道

  • 国語が苦手・偏差値50前後で伸び悩む子は「本文から読む」に切り替える
  • “答え探し読み”は点が安定しない最大の原因
  • 精読力がつけば、結果的にスピードも上がる

繰り返します。
国語が苦手なお子さんにとって、最も確実な解決法は「本文から読む」です。
設問から読むのは、国語が得意になってからで十分です。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
もしかすると、「なぜ多くの塾では、時間短縮になるテクニックばかりを優先して教えてしまうのだろう?」と、根本的な疑問を感じた方もいらっしゃるかもしれません。

その答えはこちらで詳しく解説しています。ぜひ、お子さんの国語学習の全体像を掴むためにお役立てください。

【必読】 塾で国語が伸びない本当の理由を読む

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