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【中学受験】国語の成績が伸びない子に共通する本当の原因とあなたができる3つの対策

【中学受験】国語の成績が伸びない子に共通する本当の原因とあなたができる3つの対策

中学受験コンサルタントの齋藤達也です。
突然ですが、なぜ、あなたのお子さんは国語が苦手なんだと思いますか?

  • 語彙力が足りないからでしょうか?
  • 文章を読むのに慣れていないから?
  • それとも、まだ幼いから?

色々な原因が思い浮かぶかもしれません。
ですが、これまで中学受験コンサルタントとして1000組を超えるご家庭と向きあってきましたが、最も大きな原因は「コミュニケーション能力」だと思っています。

お子さんとの会話で、
「あれ?なんか話が噛み合わないな」って感じること、ありませんか?

たとえば、塾のお迎えの車の中。
あなたが「今日の算数、どうだった?」って聞いてるのに、お子さんはなぜか「昨日の社会のテストがさ…」みたいに、ちょっとズレた答えを返してきたり。

実はこれこそが、国語が苦手なお子さんに見られる、非常に重要なサインなんです。この何気ない日常のすれ違いにこそ、国語が苦手になる根本的な原因が隠されています。

この記事で分かること

  • 国語が苦手な子に共通する「会話のズレ」の本当の意味
  • 家庭で国語力を伸ばす、今日からできる会話の「3つのポイント」
  • なぜ私は、指導で「雑談」を最も重視するのか

中学受験国語で「会話がちぐはぐな子」が伸びない3つの理由

では、なぜ、「会話のズレ」が、国語の成績にまで関係してくるんでしょうか。

国語で問われている力を突き詰めて考えると
次の2つです。

  • 相手が言っていることをただしく理解する力
  • 聞かれたことに、的確に答える力

これって、言い換えると「対話」ですよね?
つまり、コミュニケーションそのものなんです。

国語のテストには、実は目に見えない二人の対話相手が存在しています。
一人は、文章を書いた「筆者」。
筆者とは先ほどお話しした「読み取る力」を使って対話をします。
そしてもう一人が設問を作った「出題者」。
こちらは「答える力」を使って、対話するんですね。

この2人との上手に「対話」ができていないと、お子さんはテストでこんな「3つの壁」にぶつかってしまいます。

壁1:筆者の意図が読み取れず、文章の内容が理解できない

そもそも、文章を読んでも「何が書いてあるのかよく分からない」「登場人物の気持ちの変化についていけない」というケースです。
これは、普段の会話で相手の話の表面だけを聞き、言葉の裏にある「本当の気持ち」や「一番言いたいこと」を考えようとしないクセが原因です。

日常のコミュニケーションで相手の意図を汲み取ろうとしていないので、文章を読んでも筆者の「一番伝えたいこと」が全く頭に入ってこないのです。

壁2:出題者の意図をつかめず、見当違いの答えを書いてしまう

次に、出題者との対話の壁です。
お子さんがテストで、まったく見当違いの選択肢を選んでしまう…。
「本文中から抜き出しなさい」と聞かれているのに、自分の言葉で要約してしまう…。

これは、まさに出題者という対話相手が「何を求めているか」を、全く聞こうとしていないのと同じ状態。算数で「面積を求めなさい」と言われているのに、一生懸命「周りの長さ」を答えているようなものなのです。

壁3:文章の構造が見えず、答えに気づけない

そして、保護者の方が最ももどかしく感じるのがこのケース。
答えそのものが問題文の中にズバリ書いてあるのに、それを見ても「これが答えだ」と気づけない…。

これは、文章を「役割」を持った言葉の集まりとしてではなく、ただの「文字の羅列」として読んでいるからです。
文章には「一番言いたいこと(主張)」と「その理由」「具体例」といった情報の濃淡があります。この構造が見えないため、目の前に答えという宝石が転がっていても、ただの石ころにしか見えないのです。

よく「読解テクニック」と言いますが、
その土台となる相手の意図を汲み取る対話力」がなければ、どんなテクニックも意味がありません。

実は、国語が得意な子って、設問と選択肢を見ただけで、なんとなく答えのが分かるんですよ。
「あ、出題者はたぶん、これを答えさせたいんだな」というのが感覚として分かる。

これはセンスではなく、普段から相手の意図を正しく判断する能力、つまりコミュニケーション能力が高いだけなのです。

実は、こうした「対話力」という土台がないままテクニックだけを教え込んでも、成績はなかなか安定しません。そして、これこそが、多くのお子さんが塾に通っていても国語の成績が伸び悩む根本的な原因でもあります。

もし「うちの子も、塾に通っているのに…」と少しでもお感じでしたら、ぜひこちらの記事もご覧ください。

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ポイント1:お子さんの言葉を「察しない」

まず最も重要なのが、お子さんの話を「察してあげない」ことです。
親子ですから、お子さんの説明が多少つたなくても、言いたいことは分かってしまいます。しかし、そこで先回りして「~っていうことね」と理解してあげるのは、お子さんから「正確に伝えようと努力する機会」を奪うことになります。

国語が苦手な子は、「自分の話は相手に伝わるものだ」と無意識に思い込んでいることが多いです。そうではなく、「自分の意図は、正確に言葉にしないと伝わらない」ということを、日々の会話で体験させることが何より重要なのです。

もしお子さんの話の辻褄が合わなかったり、言葉が足りないと感じたら、あえてこう返してみてください。

  • ごめん、ちょっと分からなかった。もう一回教えてくれるかな?
  • その『〇〇』っていうのは、どういう意味で使ってる?


意地悪に聞こえるかもしれませんが、これが「相手に伝わるように話す」という意識を育てる第一歩になります。

ポイント2:会話の「主語と述語」をはっきりさせる

次に、会話の「主語」と「述語」を明確にする意識です。
国語が苦手な子は、この主語や述語に無頓着な傾向があります。日本語は主語と述語が離れやすい言語なので、文が長くなると、途端に文の構造が分からなくなってしまうのです。

物語文で「誰が」「何をしたのか」はもちろん、説明文で「何が」「どうなったのか」という論理関係を正確に把握できなくなり、これが読解全体の致命的な弱点になります。

お子さんとの会話を思い出してみてください。「今日、先生に注意されてさ…」のように、主語が抜けていませんか?
もし主語や目的語が曖昧な会話をしていたら、すかさず確認してあげてください。

  • へぇ、どの先生が、誰のことを注意したの?
  • その話の『何が』『どうなった』のか、もう一度教えて

この短い確認作業を繰り返すことで、お子さんは文章を読む際にも、自然と文の構造を意識できるようになります。

ポイント3:会話の「ズレ」をその場で教えてあげる

そして3つ目は、会話の「ズレ」を放置しないことです。
冒頭の例のように、こちらが聞いたことと違う答えが返ってくるのは、国語が苦手な子によく見られる特徴です。本人は悪気なく、自分の頭に浮かんだことを話しているだけなのですが、これが「設問の意図を無視して答える」「答えが目の前にあるのに気づけない」というテストでの失点に直結します。

もし会話がズレていると感じたら、少し会話を止めて、優しく指摘してあげましょう。

  • ごめん、一旦ストップ。今は〇〇について聞いてるんだけど、その話で合ってるかな?
  • お、話が少し飛んだね。さっきの、△△の話に戻ってもいい?

このように、今何について話しているのかを確認する習慣をつけるのです。これを繰り返すことで、お子さんは相手の話の軸を意識するようになり、「聞かれたことに正確に答える」という対話の基本が身についていきます。

ご家庭でできるポイントをお伝えしましたが、こうしたやり取りは、親子だからこそ感情的になってしまい、実践が難しい側面があるのも事実です。
ここでは少し、私の指導についてお話しさせてください。

中学受験国語で成績が伸びる!私が指導で「雑談」を重視する理由

私はこれまで120名以上の個別指導を行なってきましたが、指導の際に最も重視していることの一つに「雑談」があります。
もちろん、休憩といった意味合いもあるのですが、それ以上にコミュニケーション能力そのものを底上げすることを考えています。

たとえば、お子さんの話が曖昧なとき。
私は「へぇ、それって△△ってこと?」と、わざと勘違いをしたふりをします。するとお子さんは「そうじゃなくて!」と、必死に言葉を選び、正しく伝えようとします。この経験が「自分の意味を正確に伝える力」を劇的に伸ばすのです。

逆に、私の意図がお子さんに伝わっていないと感じたときは、私が言葉やたとえを変えて、伝わるまで説明を繰り返します。不思議なもので、勉強の話だと嫌がる子も、雑談の中でのやり取りは素直に、そして熱心に聞いてくれるんですね。

また、語彙にも良い影響があります。雑談で私が少し難しい言葉を使ったときに、「それってどういう意味?」とお子さんの方から聞いてくれます。この「分からないことを知ろうとする意識」が、そのまま文章の読解力へもつながっていきます。

こういうことって親子だと感情的になりがちなのですが、第三者である私のような立場の人間が冷静に行うことで、お子さんは無意識のうちに正しい対話の型を身につけていくのです。

まとめ|国語が伸びない子の成績を上げるカギは「日常会話」にあった

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
国語が苦手な原因の根底には「コミュニケーション能力」が隠れていた、というお話でした。
つまり、家庭での会話を工夫することこそが、最も効果的な 国語の読解力を上げる方法なのです。

ぜひ、今日から!

  • お子さんの話を「察しすぎず」に聞いてみる
  • 会話の「主語」をちょっとだけ意識してみる
  • 話がズレたら「今はこの話だよ」と、そっと軌道修正してあげる

まずはこの3点を、少しだけ意識してお子さんと話してみてはいかがでしょうか。

もしかすると、ここまでお読みになって「家庭での取り組みの重要性はわかったけれど、そもそも、なぜ塾ではこうした根本的な指導をしてくれないの?」と疑問に思われたかもしれません。

その答えはこちらで詳しく解説しています。
ぜひ、お子さんの国語学習の全体像を掴むためにお役立てください。

【必読】 塾で国語が伸びない本当の理由を読む

この記事が、あなたとお子さんのコミュニケーションをより豊かにし、国語力向上のきっかけになれば嬉しく思います。

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