成績が伸びない原因と親ができる3つのサポート術

2020年3月20日

「うちの子、あんなに頑張っているのに、なぜか成績が伸びない…」
「中学受験のサポートって、具体的に何をすればいいの?」

ブログ記事やママ友の話などで「うちは何もしなくても大丈夫だった」聞いたことはありませんか?

そのような話を鵜呑みにしてはいけません。
中学受験の合否を分けるのは、「何もしない」放任ではなく、「正しいサポート」ができるかどうか。
ただやみくもに「勉強しなさい!」と声をかけるだけでは、親子ともに疲れてしまいます。

この記事では、私が多くのご家庭と伴走してきた経験から導き出した、お子さんの「合格力」を育てるための具体的な3つのサポート術について、丁寧にお話ししていきます。

この記事で分かること

  • 成績が伸びる子と伸び悩む子の「勉強」に対する根本的な考え方の違い
  • お子さんが自ら机に向かうようになる「スケジュール管理」の魔法
  • 限られた時間で成果を出すための「テスト分析」と弱点克服の技術

中学受験で成績が伸びない子の共通点|親が教えるべき「本当の勉強法」

お母さんは、これまでお子さんに「勉強しなさい」と、何度もお声がけされてきたことと思います。
では、その「勉強」とは、具体的に何のことだとお考えでしょうか?

お子さんにとっての勉強

  • 塾の宿題を終わらせること
  • 渡された問題集を解くこと
  • 理科や社会の用語をひたすら眺めて覚えること

もちろん、これらも勉強の一部ではありますが、
残念ながら、この「作業」をこなしているだけでは成績はなかなか上がっていきません

「解き直し」こそが成績アップの鍵!親が伝えたい勉強の本質

私がこれまで見てきた「成績が良い子」たちは、このことを感覚的に、あるいは意識的に理解しています。

彼らは、ただ問題を解いて丸つけをして、間違えた問題の解説を読んで答えを写して「おしまい」にはしません。それでは、次に同じ問題が出ても、また同じように間違えてしまうことを知っているからです。

彼らがやっているのは、間違えた問題と徹底的に向き合い、自分の力で解けるようになるまで、何度も何度も解き直すこと。まさに、これこそが「本物の勉強」なのです。

成績の良い子とそうでない子の違いは、もって生まれた頭の良し悪しではありません。「どうすれば成績が伸びるのか」という、勉強の本質を知っているかどうかなのです。

まずはこの一番大切な土台を、お子さんと共有することから始めてみてください。「宿題を終わらせるのがゴールじゃないんだよ。昨日できなかったことが、今日できるようになるのが、本当の勉強なんだよ」と。この意識改革が、すべての始まりになります。

「勉強しない」子が変わる!中学受験の学習計画を親子で立てるコツ

「勉強の本質はわかった。でも、うちの子、なかなか机に向かわなくて…」
そんなお声もよく聞きます。そこで次に取り組みたいのが、お子さんが自ら勉強に向かう「仕組み」づくり、つまりスケジュール管理です。

なぜ親子で計画を立てる?「やらされ感」をなくしやる気を引き出す仕掛け

誰だって、人から「これをやりなさい」と一方的に押し付けられた計画なんて、やる気が出ませんよね。でも、たとえ内容は同じでも、「自分で決めたこと」なら話は別です。

スーパーで試食をすると、なんだか「買わないと申し訳ないかな…」という気持ちになった経験はありませんか?これは心理学で「一貫性の法則」と呼ばれるもので、人は「自分で決めたこと」や「一度とった行動」に対しては、最後までやり遂げようとする気持ちが働くのです。

この心理を、勉強にも応用します。お母さんがサポートしながらも、最終的な決定はお子さんに委ね、自分の手で計画を書き込ませる。たったこれだけで、「やらされている勉強」から「自分で決めた勉強」へと変わり、お子さんの心にスイッチが入るのです。

失敗しない学習計画へ|親がサポートすべき4つのポイント

では、具体的にどう計画を立てればいいのでしょうか。私がおすすめしているのは、以下の4つのステップです。

ステップ1:塾のサイクルに合わせた「週単位」で考える

多くの塾は、「月曜は算数、水曜は国語…」というように、1週間のサイクルでカリキュラムが組まれています。これに合わせ、ご家庭での学習も週単位で計画を立てるのが最も効率的です。科目ごとのバランスも取りやすく、「今週は理科に全然触れなかった…」といった事態を防げます。

ステップ2:「予備日」という“心の余裕”を組み込む

計画は、あくまで計画。その通りに進まないのが当たり前です。体調を崩したり、学校行事で疲れたり、なんだか気分が乗らなかったり…。完璧な計画を立ててしまうと、一度崩れただけで「もうダメだ…」と全部投げ出したくなってしまいます。

そうならないために、あらかじめ週に1日(あるいは半日)は何も予定を入れない「予備日」を設けておきましょう。遅れを取り戻すための日、あるいは、順調に進んでいれば好きなことをしてリフレッシュする日。この“余裕”が、計画の破綻を防ぎ、継続する力を生みます。

ステップ3:その日の「やることリスト」は勉強直前に確認

1週間の大枠の計画ができたら、次は日々のタスクです。勉強になかなか取りかかれない原因の一つに、「何から手をつけていいかわからない」というのがあります。

ですから、勉強を始める直前に、「今日は算数のテキストP.10~12と、漢字の練習を1ページやろうね」というように、その日やるべきことを具体的にお子さんと一緒に確認する時間を取りましょう。ゴールが明確になることで、スムーズに勉強をスタートできます。

ステップ4:計画は“絶対”ではない!定期的な見直しで現実的に

立てた計画が、お子さんのキャパシティに合っているか、定期的に振り返ることも重要です。もし、お子さんが集中して頑張っているのに、どうしても時間内に終わらないのであれば、それはお子さんの努力不足ではなく、計画自体に無理があるのかもしれません。

「できない計画」は、お子さんの自己肯定感を下げてしまうだけ。週末などに「今週やってみてどうだった?」「算数、もう少し時間が必要かな?」と話し合い、翌週の計画に活かしていく。このサイクルが、お子さんに合った「続けられる計画」を完成させていきます。

3. 中学受験のテスト直しは親の腕の見せ所!偏差値を上げる弱点分析の技術

正しい勉強法を理解し、計画的に進める仕組みができたら、最後は「成果を最大化する」段階です。毎週の勉強をただこなしているだけでは、範囲の決まった塾の小テストでは点が取れても、範囲が広くなる模試などでは結果が出にくくなります。

ここで鍵となるのが、テストの分析です。テストは、お子さんの成績に一喜一憂するためのものではありません。お子さんの弱点を客観的に教えてくれる、「合格への宝の地図」なのです。

テスト直しはスピードが命!記憶が新しいうちに手をつける

テストの振り返りで最も大切なのは「スピード」です。結果が返却されたら、できるだけ早く手をつけるようにしてください。

なぜなら、解いたときの思考プロセス、つまり「なぜこの答えを選んだのか」「どこで悩んだのか」という記憶が、まだ新しいうちに取り組むのが最も効果的だからです。

後回しにすると、どんどん溜まってしまい、結局手つかず…なんてことにもなりかねません。

【中学受験】テスト直しの鍵は「正答率」|親がすべき問題の取捨選択

「間違えた問題は全部やり直しなさい!」と言いたくなる気持ちはよくわかります。しかし、時間は有限です。すべてをやり直すのは非効率ですし、そもそも今の段階では解けなくてもいい「捨て問」も存在します。

そこで活用するのが「正答率」です。これは、お子さんが今、本当に解けるようになるべき問題を教えてくれる、最高の指標になります。

【目標別・取り組むべき問題の正答率(目安)】

お子さんの現状・目標取り組むべき問題の正答率
まずは偏差値40台を抜け出したい正答率 50%以上 の問題
偏差値50の壁を越えたい正答率 40%以上 の問題
偏差値60台を安定させたい正答率 25%以上 の問題
難関校を目指し、さらに上へ全部やり直しましょう!

まずはお子さんの目標に合わせて、「今回は、正答率〇%以上の問題を完璧にしよう!」とゴールを設定してあげてください。

解き直しで差がつく!「Bタイプ問題」に親子で集中する戦略

正答率で絞り込んだ問題を解き直したら、ぜひお子さんと一緒に、以下の3種類に「仕分け」をしてみてください。

解き直しの「仕分け」

  • Aタイプ: 今回はできた!自分の力で解き直せた問題。
  • Bタイプ: 惜しい!解説を読んだら「あ、そうか!」と理解でき、次なら解けそうな問題。
  • Cタイプ: 難解…解説を読んでも、何が何だかさっぱりわからない問題。

ここで最も重要なのが「Bタイプ」の問題です。
これこそが、お子さんが今まさに「できる」に変わる寸前の、一番“おいしい”問題。コピーしてノートに貼り、「解き直しノート」としてストックし、週末や模試前などに繰り返し解くことで、確実に得点力に変わっていきます。

そして、「Cタイプ」の問題は、勇気をもって「一旦、保留」にしましょう。ここに時間をかけても、すぐには解けるようになりません。今はBタイプの問題に集中するほうが、はるかに効率的です。時期が来れば、不思議と理解できるようになることも多いのです。これも立派な「戦略」ですよ。

まとめ:お母さんの「賢いサポート」が、お子さんの未来を創る

いかがでしたでしょうか。今回お話しした3つのサポート術は、

  1. マインドセットの共有:「できなかったことをできるようにする」のが勉強だと教える
  2. 学習計画のサポート: お子さんが勉強しやすくなる「仕組み」を作る
  3. テスト分析の主導: 弱点を見つけ、「賢い努力」に転換させてあげる

という、中学受験でお子さんの成績を伸ばすための、いわば三種の神器です。

これら3つはバラバラのものではなく、「正しい勉強法を理解し(マインド)、計画的に実行し(スケジュール)、結果を分析して次に活かす(テスト分析)」という、一つの大きなサイクルになっています。

もちろん、最初からすべてを完璧にこなすのは本当に大変です。でも、大丈夫。まずは「今週はスケジュール管理を一緒にやってみよう」「次のテストでは、正答率で問題を選んでみよう」と、一つずつ、できることから試してみてください。

お母さんがお子さんの状況を正しく理解し、最適なサポートをしてあげること。それこそが、どんな高価な教材にも勝る、最強の合格戦略です。

もし、お子さんに合った具体的な計画の立て方や、テスト分析の方法で迷ったり、行き詰まったりしたときは、いつでもお気軽にご相談くださいね。あなたとお子さんだけの「合格への道」を、私が一緒に見つけるお手伝いをさせていただきます。