読解力を伸ばす「音読と要約」の具体的なやり方

2020年3月3日

もし、あなたがお子さんの成績を飛躍的に伸ばしたいと考えているなら、毎日の「音読」と「要約」を強くおすすめします。

周りを見渡してみてください。
大して勉強しているようには見えないのに、なぜか成績が良い子っていませんか?
塾の授業を一度聞いただけで、内容をすっかり理解してしまうような子です。

「うちの子と、一体なにが違うの?」
そう思いますよね。
その答えは、とてもシンプルです。

「国語力」が、段違いに高いのです。

なぜ中学受験の成績に国語力が直結するのか?

国語力が高いから、

  • 授業で習ったことの理解が早い。
  • テキストの内容を素早く正確に理解できる。
  • テストで何が問われているかを正しく読み解ける。

当たり前ですが、テキストは日本語で書かれ授業も日本語で行われます。
つまり、国語力は全ての学力の土台になっているんです。

ですから、あなたのお子さんも国語力をしっかり鍛えれば、授業の理解度も上がり、成績は自然と伸びていきます。

そして、その最も効果的で本質的なトレーニングが「音読」と「要約」なのです。

なぜ「音読」と「要約」で国語力が上がるのか?

「国語力」とは、具体的に何でしょうか?

この記事では、国語力を次の2つに分けて考えます。

  1. 文章をスムーズに読む
  2. 内容を正確に理解する力

そしてこの2つを効率的に鍛えることができるのが、「音読と要約」です。

1.音読で「読む力」を鍛える

スラスラとスムーズに読めるからこそ、書かれている内容を深く考える余裕が生まれます。

音読は、この「読む力」を鍛えるための最も確実なトレーニングです。黙読では気づけない読み飛ばしや、曖昧に読んでいた部分が浮き彫りになります。

一つの文章を、つっかえることなくスムーズに読めるまで、何度も繰り返し音読する。
できるようになったら、次の文章へ進む。

これを繰り返すことで、文章を読むスピードや理解の正確さが自然と上がり、内容を理解することに100%集中できるようになります。

2.要約で「理解する力」を鍛える

次に、「理解する力」です。
ただ文章を読んだだけでは、内容は頭に残りません。読んだ情報を自分の頭の中で整理し、まとめる作業があって初めて「理解した」と言えます。

たとえば、本を1冊読んだ後、その内容を誰かに説明できますか?
一字一句覚えている人はいませんよね。大事なポイントを頭の中で整理し、「要するにこういう話だった」と理解しているはずです。

成績が伸び悩む子は、この「頭の中でまとめる」作業が苦手な傾向があります。そのため、何が書いてあったかを聞いても、的外れな答えが返ってきたり、ただ文章の一部をダラダラと読み上げたりするのです。

要約のトレーニングは、この「まとめる力」を鍛えることができます。

文章の重要な部分を見つける力がつけば、自然と人の話を理解できるようになったり、文章に書かれていることが分かるようになります。

中学受験生が読解力をつける効果的な音読・要約の方法

1.毎日15分、短い時間でいいので音読を継続する

「今日は音読の日」と決めるより、毎日15分程度でいいので学習習慣に組み込むのが効果的です。塾の国語の宿題で使う文章などを教材にするのが良いでしょう。

2.「要約するため」に音読する

ここが一番のポイントです。ただ読むのではなく、「後で要約するために、重要なポイントはどこか?」を探しながら音読させます。

【説明文で探すポイント】

  • 話題:何についての文章か
  • 主張:筆者がその文章で伝えたいことは何か?
  • 理由:なぜそう主張しているのか

【物語文で探すポイント】

  • 主人公:誰が中心人物か
  • 一番大きな出来事:物語が動いたきっかけは何か
  • 心情の変化:その出来事で主人公の気持ちはどう変わったか

「書かせない」要約でハードルを下げる

音読が終わったら、「じゃあ、今の文章で筆者が一番言いたかったことは何だった?」と聞いてみてください。先ほどのポイントを意識して読んでいれば、すぐに答えられるはずです。

これが、最もシンプルで効果的な要約トレーニングです。

「要約を書きなさい」と言うと、多くの子は嫌がります。まずは「書く」という高いハードルを取り払い、口頭で答えることから始めてください。これなら親子間の不要なバトルも避けられますし、要約の目的「頭でまとめる力」のトレーニングにもなります。

【中学受験 国語の成績・読解力を上げるコツ】のまとめ

1.中学受験で国語の成績が伸びない理由

 読解力の土台である「読む力」と「理解する力」が不足しているためです。音読と要約によってこの基礎を鍛えると、成績は着実に改善していきます。

2.読解力を伸ばすためのコツ

 毎日15分の音読と、口頭での要約練習がおすすめです。書かせるのではなく「話す要約」から始めることで、取り組みやすくなります。

3.国語力が上がると他教科にも良い影響がある

 国語はすべての科目の基礎です。文章を読む力がつくことで、テキストの理解力や授業の吸収力が向上し、他教科の成績も飛躍的にアップします。

4.音読に使う教材は塾のテキストで十分

 特別な教材を用意する必要はありません。塾のテキストやテストで使われた文章を活用するのが効果的です。

5.毎日の学習習慣に「音読」を組み込む

 「今日は音読の日」と分けるのではなく、毎日の学習のスタートや一部として音読を取り入れるのがおすすめです。短い時間でも継続することが大切です。

中学受験では、どうしても算数を優先しがちです。しかし、国語は全ての教科の土台です。
文章をスムーズに「読む力」と、内容を正確に「理解する力」
この2つの力を「音読」と「要約」でしっかりつけることで、お子さんの成績は飛躍的に伸びる可能性があります。ぜひ、毎日の学習にこのシンプルな習慣を取り入れてみてください。

忙しい毎日の中で、親としてできることは限られているかもしれません。でも、1日たった15分、お子さんの横で一緒に取り組むことで、その後の学習に大きな変化が現れます。無理のない範囲で、ぜひ続けてみてください。