【中学受験】100点は必要ない!合格を掴む「7割」戦略と親ができる3つのサポート

2020年3月13日

「あと何点取れば、うちの子は合格できますか?」

これまで1000組以上のご家庭と向き合ってきましたが、この相談もよくいただきます。
模試の結果に一喜一憂しながら、合格最低点とお子さんの点数を見比べる日々。
その不安や焦り、痛いほどよくわかります。

「もっと点数を取らせなきゃ…」
そう思うあまり、難しい問題集を増やしたり、塾の課題をすべてこなそうとしていませんか?

でも、それが合格から遠ざかる“非効率な勉強”かもしれないのです。

中学入試で求められるのは100点満点の正答ではありません。
必要なのは、「合格点を効率的に取る戦略的な勉強」です。

この記事で分かること

  • 子どもが満点主義に陥る理由
  • 塾の課題の“ワナ”
  • 親ができる3つのサポート戦略

合格点は「7割」で十分!入試の現実から始めよう

中学入試で多くの学校が目安としている合格点は、全体の7割前後。
実際、説明会などでも「問題位の取捨選択は重要です」と明言する学校も少なくありません。

つまり、学校側もすべてを解くことは想定しておらず
むしろどの問題に取り組むか?といった分析する力を求めているのです。

ここで意識したいのは、
満点を狙う勉強」と「7割を確実に取る勉強」は、やるべきことがまったく違う
という点。

たとえるなら

  • 満点主義=険しい登山で頂上を目指す
  • 合格点主義=安全な登山道で七合目の山小屋へ向かう

受験の目的が「合格」なら、迷うことなく後者のルートを選ぶべきです。

多くの子が「満点主義」に陥る2つのワナ

「7割でOK」と分かっていても、多くの子が無意識のうちに満点主義の罠にハマっています。
その背景には、塾の仕組みに起因する2つの要因があります。

ワナ①:塾の“万全主義”が学習を肥大化させる

塾はどんな学校の入試にも対応できるように、全方位型の教材とカリキュラムを用意しています。これは「抜け」がなく安心感はある反面、多くの家庭にとっては不要な内容が山ほど詰まっています。

たとえば、
• 出題頻度の低い知識
• 最難関校しか出題しない難問

これらまで一律に教えようとする結果、「満点主義」の空気が漂うのです。

ワナ②:「問題的中!」の広告に惑わされる

受験後に目にする「◯◯中の問題、的中!」という広告。
一見すごそうに見えますが、これは全範囲を教えていればどれかは当たるというだけの話です。
それは例えるなら、競馬で全ての馬券を買って「当たった」と言うようなもの。

つまり、「的中率が高い=その塾が合格に最適」という保証にはならない という冷静な視点を忘れないことが大切です。

合格点を取るために親ができる3つのサポート戦略

では、具体的にどうすれば「満点主義」から抜け出し、合格に直結する勉強ができるのでしょうか?その鍵は、親が環境を整え、学習の方向性を導くことにあります。

サポート①:得意より「苦手の底上げ」

苦手を40点→50点に上げる方が、得意を90点→95点に上げるよりはるかに簡単です。

多くの苦手分野は、基本問題の取りこぼしが原因。
ちょっとした復習で、一気に点が伸びる可能性を秘めています。

総合点で競う中学受験では、バランスの取れた得点が合否を分けます。

まずはテストの結果を分析し、

  • どの教科の
  • どの単元で
  • どんなミスが多いか

を一緒に確認してあげてください。

サポート②:「難問」より「基本問題の完答」

私がよく子どもたちに伝えるのは、「みんなが解けない問題は、出ていないのと同じ」ということです。

難問に手を出して時間を使うよりも、基本・標準問題の完答率を高めるほうが合格に直結します。過去問を見れば、「あれ?これ塾で見たことある」という問題ばかりだと気づくはず。

もしお子さんが難問にこだわっていたら、こう声をかけてください。
「この問題は難しすぎるからやらなくてOK! 代わりにこっちの問題を確実に解けるようにしよう」

その切り替えが、合格点を取りにいく“戦略”です。

サポート③:ミスを活かす「復習サイクル」の仕組み化

「できなかった問題」を放置すると、次もまた落とします。
大切なのは、ミス→見直し→再トライという復習の習慣を作ること。

ポイントは“時間で管理”すること

  • 「間違い直しだけの時間」を週1〜2回確保
  • 1回目にミスした問題だけをもう一度解き直す
  • 1週間で3回触れると、記憶が定着しやすい

ミスノートは「使いやすければOK」

丁寧すぎるミスノート作りで疲れていた子に、
「付箋を貼って、週末に剥がすゲームにしよう」と提案したら、見事に復習が習慣化した例もあります。

重要なのは「復習の仕組み」であり、「形式の美しさ」ではありません。

まとめ:完璧を目指さず、“合格点主義”に切り替えよう

ポイント

  • 合格に必要なのは100点ではなく「7割」
  • 親が勉強の方向性を決めてあげる
  • 合格のための3つの親のサポート
サポート内容 理由
苦手の底上げ 簡単に点数を伸ばしやすい
基本問題の徹底合格点を確実に確保するため
復習サイクルの習慣化 ミスを“得点源”に変えるため

中学受験は、ゴールまでの道のりが長く、親子ともに迷いや不安がつきものです。

でも、合格は「満点の先」ではなく、「7割の先」にあります。
完璧ではなく、“最短距離の合格戦略”で、無駄のない受験生活を一緒に作っていきましょう。

もし、課題の整理や勉強の方向性に悩まれているようでしたら、お気軽にご相談ください。
お子様のタイプや志望校に合わせて、個別にアドバイスさせていただきます。